「ファースの家」専用サッシ
家全体から逃げる熱量の3分の1が窓からであり、隙間や換気からが3分の1、残りが床、壁、天井からの部位からである事が判っています。
私達は樹脂の現場発泡の断熱、気密の手法で、部位熱損失量を極限まで減ずる事が出来るようになりました。当然ながら換気による熱損も大幅に削減できます。 ところが問題は窓の開口部でした。
平成元年当時でもかなり進歩的な窓で、ガラスを三枚用いたトリプル仕様が市販されておりました。当初、「ファース工法」もこのトリプルガラスを装着したサッシを採用いたしました。当然ながら価格も高価でしたが、何と言っても最大の問題は、ガラスの重さにあり、重いガラスを支えるサッシ枠も相当にゴツイ作りになっておりました。ガラスの断熱効果が高くても、サッシ枠から熱を逃がすのです。その後、樹脂のサッシ枠が市販されるようになりましたが、重量のあるトリプルガラスを支える事などとても出来ません。
ペアタイプでの高断熱ガラスを模索しておりましたが、当時、画期的な20mmものガラス幅を持ち、ペアのガラスに対流をし難くする為のガスを封入した特殊ガラスの採用に踏み切りました。このガラスの採用で樹脂や樹脂とアルミの複合サッシも使用出来るようになったのです。これで暖かい家づくりがかなり究極へと近づいたのです。
専用ガラス、猫のマークの写真
平成5年から弊社の技術ノウハウを全国の工務店に供給するフランチャイズ事業を展開しましたが、この頃、暖かい家づくりは完璧に近いくらいに自信が持てるようになりました。
ところが8ヶ月間も冬の気候が続く寒冷地はともかく、逆に8ヶ月間も夏の気候が続く温暖地では、夏場対策が不可欠となります。
特に開口部からの日射取得熱は膨大な熱量となり、冷房負荷を大きくします。暖房費用の省エネと同時に冷房省エネも実践する必要があります。
開口部から日射熱を充分に取り込む冬期間、太陽高度が低い位置となり、この角度を活用する事に着眼しました。それはガラスの受熱量がガラスに直角に当った事を前提として計測されていた事がヒントとなりました。角度を変えますと受熱量が少なくなりますが、これにLow-E機能と言う、金属微粒子をガラスにコーティングする事で、更にそうした効果を促進する事が判り、日本で初めてそのLow-Eガラス標準装備と致しました。
専用エアコンの写真
「ファースの家」は天井裏に専用のエアコンを設置しておりますが、普通のエアコンを高さの低い天井裏に取り付けますと、噴出した冷気を直ぐに吸い込んでしまい(ショートサーキットと言う)エアコン内のセンサーが冷えたとサーチして運転を低稼働にしてしまいます。
このため、高さの低い天井裏を均一に冷やすための専用エアコンの開発をする事になりました。エアコンメーカーは天井裏を冷やすなど、とんでもない方法だと強く拒否反応をしめしました。しかし、実際に普通のエアコンをショートサーキットのしないように構造的に工夫した「ファースの家」を体験して戴いたところ、その驚異的な性能に驚き、今度は積極的に、その開発に取り組んで戴きました。
天井裏を均一に冷やし、その冷気をサイクルファンで床下に循環する事で、冷房も輻射熱で出来るようになったのです。
調湿が出来ているため、気温をあまり下げずとも快適空間をつくれ、乾燥した冬でも暖房気温を上げなくとも、潤いのある快適な暖房が可能となりました。
蓄熱暖房器
深夜においての電力の需要が大幅に少なくなりますが、この時の発電効率が極端に低下します。発電設備は昼間の需要を想定して装備しており、夜間に需要が減っても供給量をその需要に沿って正確に低減する事が困難なのです。このような時間帯で電力を使用する事で発電効率が上昇する事から、深夜電力は昼間の3分の1以下の安価な電気料金が設定されています。このように深夜電力の活用で余剰設備の有効活用、発電効率の向上でCO2排出量の低減など多くの社会的な貢献を果す事が出来ます。
オール電化住宅は、単に清潔、安全、簡単などの理由からだけでなく、社会的な貢献度も地球温暖化現象、少子高齢化時代となり、益々そのニーズが高まると思われます。
換気扇
家づくりには構造、外装、内装、建具などを主体工事と言い、その他の設備や空調工事などを付帯工事と言っています。
明らかに主体工事に付属する「おまけ」の工事的な扱いとなって参りました。
昔のように屋根があり、壁があり、床があって雨や風を凌げれば善しとした家づくりの時代の名残りだったのでしょう。ところが現在は、躯体工事と設備工事が完全に一体化して性能を保持するようになりました。建築基準法でも換気扇の取り付けを義務化するようになり、換気扇があれば、吸気口を設けなければならず、その通気を促す、換気経路を維持する必要があります。躯体工事以外の仕事を、下請けで後付の付帯工事と位置づけるのではなく、構造躯体と一体になって設計段階から工事を仕切り、段取りせざるを得ません。
電気配線、給排水、冷暖房設備もいまや、構造躯体と整合しなければならないのです。
中越地震の被害の様子
どんなに温熱環境、空調、電気、給排水設備などが伴っていても、地震や台風などの自然災害のたびに不安を感ずるような構造体の家であってはなりません。
台風や地震などの自然災害にも安心できる家の強度が伴っていなければなりません。
「ファースの家」は、現在の規準で確認申請が通る基本的な構造強度さえ備えていれば、数百年に一度程度、やってくると言われる大震災、大嵐にも人的被害を出さない強度を保つようになっております。これは、強力な密着強度を有する樹脂断熱、気密材をシームレス状に家をすっぽりと包んでしまうため、出来上がった「ファースの家」は、バスケットボールのように、転がしても壊れないのではないかと言われるくらいの強度を発揮します。
平成元年に「ファースの家」の1号棟が完成してから、阪神大震災、奥尻沖大地震、中越大地震、能登半島大地震、中越沖大地震と震度7にも及ぶ大震災に遭遇しましたが、内装材に小さなズレが生じた程度で殆ど、被災しませんでした。
特に中越大地震の際は、震度7の川口町の震源地や、その近くの小千谷市に建っていた「ファースの家」ですが、家具や外構に被害があったものの、建物そのものには被害らしい被害がありませんでした。
気密、断熱を目的に構築した樹脂断熱材が構造の強化にも役立っていたのです。
ひとつの性能を追い求めると必ずその副作用があるものです。
「ファースの家」は究極の気密性を追い求める事で、その目的を達成する事が出来ましたが、副作用として、室内反響音が通常の家より大きくなります。 外部の音を遮断して救急車などのサイレン音も近くに来るまで気付かない場合があります。外部の騒音を防ぐには有効ですが、その分だけ反響音が大きくなるのです。
吸音出来る内装材を使用したり、天井裏にグラスウールやスポンジを吸音材として用い、反響音を緩和する方法があります。 また、専用熱交換式換気扇、サイクルファン、排気ファン、除去装置などの機器を稼動させるために、多少ですが電気料金がかかるだけでなく、定期的なメンテナンスも伴って参ります。そのあたりが「ファースの家」の宿命的な泣き所と言えると思います。
なお、床に、カットタイプのウールカーペットを敷き込みますと、ホコリやハウスダストをしっとりと吸着して掃除機に吸込み易く、衛生的で反響音の緩和に効果的です。
また、「ファースの家」の健康空気循環システム(AIキット)の優良メンテナンスサービスも準備しております。
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福地脩悦のブログ飛び回る人生・お役立ち社長日誌福地脩悦・家づくり・人生日誌を綴る。 |
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