高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

結露と換気の問題

窓の結露や壁のカビ、床下の換気の悪さなど

2021.04.23

結露で断熱材を取り去ったけど大丈夫?

質問者/長野県・Mさん(会社員・34歳・男)

お世話になります。
昨年、2階建ての新居を建てまして、間もなく1年になろうとしています。2階部分にウォークインクローゼットがあるのですが、屋根が急勾配のため、その部分の天井は屋根と同じ勾配でいわゆる天井裏がありません。したがって、屋根と天井の間(20センチくらい)に断熱材が入る形になっていました。冬場になると、その部分に結露が発生し、天井から水滴が落ちるほどになったので、施工業者に連絡したところ、換気が悪いために起こったということで、その部分の断熱材を取り去りました。その後、結露することはなくなり、改善されたように見えます。
ただ、断熱材が入っていない状態で夏を迎えるのが心配です。このままでも問題ないのでしょうか?ほかに何か方法があるのでしょうか?よろしくお願いします。
このような、無知な施工方法がいまだに行われていることに驚きを感じます。天井の断熱材は、室内の熱を遮断して、屋根材に熱を当てないことが最大の目的です。また、夏場は、断熱材と屋根材との間に空気層をつくって、屋根材の受けた日射熱を断熱材と屋根材の下部に設けた空間から自然放出させ、冬場は外部の冷気も、この断熱材で冷気遮断することを目的として設置します。
本件は、屋根の下の断熱材が、おそらく施工不備によってその役目を果たしておらず、湿気の伴った室内熱が、不備であっても、室内の温度をある程度遮断するため、屋根下地の温度をさらに低下させ、冷やされて凝縮して結露現象を引き起こしたものと考えられます。
当然、断熱材を取り払いますと、屋根下地が温められて、その部分の温度が上がるため、露天温度にならずに結露現象を発生させないことが考えられます。危惧されているように、このままでは夏場において、その部分の温度が60度以上に上昇するものと思われます。
対策としては、現在、充填していた200ミリの断熱部分を自然通気層にして、棟や妻側から自然排気させ、その下側に、ウレタンボード断熱材を取り付ける方法があります。小屋裏天井が低くなりますが、温熱環境を考慮した場合、ぜひとも実施すべきでしょう。