高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

結露と換気の問題

窓の結露や壁のカビ、床下の換気の悪さなど

2021.02.25

湿度とカビで一番困っています

質問者/兵庫県川辺郡・OKさん(公務員・33歳・女)

 新築一戸建てを購入して1年になります。当初から色々と瑕疵の多い家ですが、最近湿度とカビで一番困っています。
 2階北東の娘の寝室が、3月現在で湿度が75~80%あります。室温は、おおむね8~15度くらい。ほとんど暖房はつけず、つけてもガスファンヒーターを1時間程度だけ。2段ベッドの上で寝ている(下は机)布団の裏側のみが、びっしり黒カビがついていて、いくら布団を変えても同じです。布団の下はスノコになっており、朝起きると布団の裏がびしょびしょ、天井や壁もじっとりしています。窓サッシには、白い胞子状のカビらしきものもあります。
 業者は「気密性が高いから」「暖房のつけすぎ」とか訳の分からない責任逃ればかりで、どうにも話になりません。アレルギー体質のため、娘の心身への影響が懸念されます。対策を教えて下さい。
 室温が20℃の時、湿度80%の場合、露点温度と言って結露が始まる温度が16℃です。つまり、室温より僅か6℃程度低い部分に湿気が吸い寄せられるのです。
結露を防ぐのは、理論的に低温部分をつくらないか、湿度を下げるかで解決できます。この低温部分が出来るのは、断熱性能が不充分であることです。
 しかし、現在の断熱基準では、兵庫県の場合、せいぜい50ミリ程度の厚さの断熱で良いとされています。つまり、施工者にその責任を問うのが大変に難しいのです。この基準の見直しは必須の項目となりますが、お施主様の方で基準を何倍も超える断熱性能を要求すべきなのです。特に温暖地では冷房対応として天井の断熱材は北海道なみに充填することです。
 本件の解決法としては、湿度を下げる工夫を行うべきです。先ず、洗濯物や金魚、熱帯魚、観葉樹など湿気を放出させるものは、最小限に整理します。次に兵庫県の場合は冬の外気が乾燥するので換気量を増やします。
 しかし。これからの梅雨の時期は換気量も最小限にして、除湿機で湿気を除去します。布団は布団乾燥機で乾燥させますが、その時、窓を開けますと室内の室圧が上がっているので自然に湿気が外部に放出されます。梅雨の時期は除湿機を多用するといいでしょう。
 いずれにしても、責任を問うている間にカビの胞子が浮遊して、子供だけでなく家族全員の健康にも障害が起きる場合があります。自分で出来る対処法を実践しつつ、断熱向上の対策を行うべきでしょう。施工者への要請も多少、質問者が施工負担を負うことで話し合いをすべきと思います。