高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

結露と換気の問題

窓の結露や壁のカビ、床下の換気の悪さなど

2021.10.05

地下室の結露・湿気・カビ対策について

質問者/兵庫県神戸市・SKさん(会社員・52歳・男)

 分譲住宅を購入した者ですが、住宅は地盤が全面南道路より約3.5メートル高く、これを利用して地下に車庫兼物置および地上の2階建木造住宅のエントランス・玄関が作られております。土地の形状が間口7.8メートル、奥行き21メートルと細長いので、地下部分の奥行きは最大15メートルになっております。購入後(春)すぐに結露が発生し始め、夏頃には特に奥の低い隅の部分でひどい結露が発生(エントランス・玄関はひんやりして湿気が高く、隅の下で少し結露がありますが、ひどいのは車庫物置です)し、驚いて調べると、おいてあったものの大半にカビが発生していました。
 分譲業者に聞きますと、その業者は販売中の冬には全く結露はなかった、夏に結露が発生することは知らなかった、また、用途上コンクリート打ち放しですから内断熱処理は次善の策として、連続運転除湿機を設置し24時間繰り返しタイマーで稼動時間を調節し、排水は倉庫床面にある排水口に流しこむと良いでしょうとのこと。地下の打ち放しのコンクリートの結露は宿命的なもので永久に夏には発生すること、欠点ではあっても欠陥ではなく、それに応じた使い方をしていただくようお願いしますとのこと。除湿機を2~3日試験的に稼動させましたところ劇的効果がありました。漏水であれば白い水がでるが、全く透明なので結露とのこと。販売時にその旨の説明をできてなかったことについては、わかっていて黙っていたのではなく認識が無かったためであり、遺憾で、タイマーと設置工事は分譲主がすると言っております。そういうものなのでしょうか?
 典型的な夏型、地下低温結露です。地中の温度は常に15度程度です。夏の気温は当然30度以上になり、湿度も80%を越える毎日です。気温30度で湿度80%の時の露点温度(結露が始まる温度)は、約25度以下ですから、地中温度によってコンクリート部分が25度以下の部分に結露が発生します。
 神戸の冬は気温3度、湿度30%程度となりますので、地中温度でコンクリートが気温より高くなり、露点温度以上になりますので結露は発生いたしません。当然ながら除湿機を使用しますと、湿度を低下させ露点温度以下にならないので結露となりません。
 出来ることなら、冬期間でも車庫やエントランスに太陽熱が入るように工夫できれば、コンクリートの温度を上昇させると露点温度にならなくなりますので、除湿器が不要となります。工夫してみてください。