高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

契約・法規のトラブル

業者側のミスで発生した補修工事費用など

2008.04.23

見積書がない家

質問者/福岡県大牟田市・MSさん(主婦・29歳・女)

 家を建てることになり、母がK不動産会社さんで月極め駐車場を借りていて何気なくいい土地ありませんか?と聞いたら、すぐに私たちのアパートに資料を持ってこられ、1980万で土地と建物のセットプランでの購入を進められました。貯金が無くての購入でしたので、お安いと思い購入することに決めました。売買契約・請負契約も終わり後は着工を待つだけの段階で土地を売れないといわれ、違う土地を進められたのですが、前より土地自体の価格が高いので、後150万負担していただかないといけないといわれ、建てるつもり満々でいた私たちはそちらで建てることにしました。家の広さ32坪2160万です(土地の価格700万家の価格1460万)。諸費用は別です。家の形はセットなので変えられないが中のレイアウトは考えていいといわれました。屋根は瓦で壁はサイディング、ガラスは1層で、1階は無垢で2階は合板トイレは1つです。初めトイレは2つだったのですが、1つにしていただいて価格は安くならないと聞いたのですが、1つも2つも変わらないと言われ、ガスコンロの種類をグレードアップしていただいただけです。屋根をスレートから瓦にして、オール電化に変えたり、別途費用(最終別途費用は160万)として加算されていきました。オール電化の電気温水器も丸型の仕様も何もないものです。途中で担当者の方が会社を辞められて違う方に変わって引継ぎがうまくいっていなく、私たちとの言った言わないの問題があったりしましたが、何とか出来上がり引渡しが終わり、今現在、住んでいます。
 請負契約のときに標準仕様のキッチン、トイレ、お風呂、洗面など説明を受け、先に契約を勧められ、いろいろ仕様を変え、たぶんは別途見積もりとされました。どういう工事にいくら掛かるとかの説明は一切無く契約しました。契約時には私の中ではあれをこうしたいなどのことで頭がいっぱいで、見積書のことは気が付いていませんでした。見積書も頂いていないのですが、その時の担当の方が、建てた後に戻ってくる市からの浄化槽の補助金は返していただくことになりますのでといわれ、他の方にもそうして頂いていますとの説明を受けました。請負契約書には補助金は返還すると記載されています。でも今考えると、見積書もないのにおかしいことではないのでしょうか?
 私の家の隣に今Kで家を建てている方がいて、その方は建築条件が無いので、どこで建てるか悩んだと言われ、私はその時初めて私の土地も建築条件が無いことを知りました。土地が変わった時、Kの方は一言もその事を言われなかったのです。お隣は47坪で、地盤に杭を打ったりもされてペアガラス1階は無垢箱型の電気温水器で2200万ほどだそうです。見積書ももらわれていて、その中に浄化槽も入っているそうですので、補助金は返金しなくて言いそうです。私も見積書を探してみましたが、頂いていないのでありませんでした。Kさんに問い合わせてみたのですが、見積書を2時間探したのですが見つからないといわれ、担当者が辞めていないのでわからないと言われるばかりです。担当者と契約したわけではなく会社と契約しているのですからと思ってしまいます。引き継ぎで担当していただいたのがKの社長の息子さんなのですが、いまさらそんなの調べてどうするんですか?といわれこちらも後から見積書ととか言われても困るといわれました。はじめセットプランから入っているので仕方が無いといわれました。
 同じ会社で建てているのに違いがあり納得いきません。セットプランでも見積もり無くては家は立たないのではないでしょうか?私たちが支払った金額で浄化槽も設置できていたかもしれないのに、補助金を返す気になれません。土地が変わった時、土地だけを買うこともできる説明を聞いていないことにも納得いきません。後、お隣は地盤に杭を打たれたすぐ隣のうちは何もしていないのですが大丈夫なのでしょうか?よろしくお願い致します。
 規格住宅、或いはパッケージ住宅などと言われておりますが、図面や仕様書が既に出来上がっており、施工も同じサイズなのでスケールメリットが生じます。低価格で販売する住宅は、このような規格住宅が殆どなのです。一般の手法で家づくりを行う場合は、建主さんと協議しながら設計を組み上げて出来上がった図面に沿って見積もりを行います。規格住宅はあらかじめそのような手間のかかるものが出来上がっているため、極端に費用を削減出来るのです。しかし、仕様変更や間取り変更を行う時は通常より多くの負担を強いられることになります。
 本件の質問者は一般的な注文住宅をイメージしていたのだと思われますが、価格から判断して規格住宅だったのだと思われます。規格が自分のイメージとフィットすれば規格住宅は、高品質な家をとても安価に建てることが出来ます。しかし、様々な自分なりの希望があるのであれば、本件のようなトラブルも起き易くなります。
 そもそも、規格住宅と一般の注文住宅では価格体系が大きく異なるものです。
 本件における浄化槽の補助金についてですが、契約書に返還事項が記入されいると言うことです。その契約書に通常、図面、仕様書、見積書が添付するように記入されているはずです。にも関わらずそれが存在しないと言うことは、双方の確認責任と言うことになります。契約書に最初から見積書の添付事項の記入が無い場合、相手に有利とならざるを得ません。
 いずれにしても言った言わないの感情論は何の利益にもなりません。契約書を確認し、感情的にならず工務店と冷静に協議しながら解決を図ることが賢明です。
 杭打ちでの地盤補強ですが、竣工して10年間、地盤沈下など家が傾くなどの問題が発生した場合は、瑕疵担保責任と言う法律で施工者の責任が義務付けられています。10年間、大丈夫であればその後に問題を起す事はほぼ無いと思われます。