高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

結露と換気の問題

窓の結露や壁のカビ、床下の換気の悪さなど

2022.09.07

新築マンションで天井が結露します

質問者/埼玉県坂戸市・YTさん(公務員・33歳・女)

 7階建ての6階・角部屋に住んでいます。東端の和室は、7階のルーフバルコニーの下で、和室のすぐ上の屋根の切れ目は日照権の関係で、斜めにカットされています。ちょうどその斜めになっている部分の真下(15センチくらい)にあたる天井部分からしたたるように結露し、寝室としても使えず困っています。
 先日1年点検の時、業者にそのことを話したら、「斜めの部分は断熱が入れられないので無理」とのこと。そんなことは販売時にはもちろん聞いていないし、ルーフの下の天井が全く断熱処理されていないなんて、どう考えても欠陥マンション!? 何度交渉しても、「手の施しようがない」の一点張りです。本当に今からでは、建物としては何の対策もとれないのでしょうか? とにかく住人としては最大級の換気に励み、防いでいますが、その和室は死んでいるも同然。
 それなりに高い(本マンションの中で2番目)販売価格も付いていただけに、こんな欠陥が発覚した今、その価格はとても妥当とも思えません。また、将来転売するにあたっても、こんな欠陥を抱えていたら不動産価値的にも心配。建築にあたっての判断としては、断熱がなくてもコンクリートの厚さでカバーできるとして、問題ないとして設定した販売価格だったようです。そうでないとわかった今、業者に対しては、どんな誠意ある対応を要求できるのでしょうか?
 とにかく、いろいろな意味で、どうしたものかと悩みまくっています。
 本件、結露の要因ですが、ルーフバルコニーの躯体がヒートブリッジを起こして低温になり、そこに生活空間で発生した水分が凝結して結露になったということだと思います。バルコニーのような突起部分は断熱処理が困難な場合がほとんどで、本件のような結露が多く発生しています。販売側もそんなものなのです…という説明を行っているようです。YTさんの言う、コンクリートを厚くしてもカバーしきれるものではありません。このマンションに本件以外、このような事象がないか調べ、どんな対応をしているかも調査すべきです。
 まず、新築して1年や2年は、コンクリート自体の含水量が多いため、結露がしやすいことも理由になります。この場合、次第に緩和されることも考えられます。また方向が日の当たらない場所の場合、北風などで冷やされ、結露をしやすくする場合もあります。いずれにしても、対応としてはその部分を暖めるような工夫をすることです。簡易的なヒーターを付近に取りつけ、その部分の温度を上げてやりますと結露は起きません。下手な断熱より確実ですので、業者さんも対応がしやすいと思います。厄介なのはバルコニーの上部の防水が不完全な場合、雨水が浸透してコンクリートの含水量が増えて結露をしやすくしている場合も考えられます。この点も点検する必要があります。
 業者交渉は、一方的な要求を突き付けると、約定や瑕疵理由などでかわされてしまいます。感情的にならず、冷静に落ち着いて、業者側が対応できるような落とし所も考えながら行ってください。