高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

契約・法規のトラブル

業者側のミスで発生した補修工事費用など

2008.09.13

玄関ドアの反り、交換を正当に要求できる?

質問者/神奈川県川崎市・HYさん(会社員・36歳・男)

 初めて投稿させていただきます。
 我が家は引渡しを受け2年が経過した新築・木造(2×4)の物件です。入居後数ヶ月経った春頃、玄関ドアが(相当強く押さないと)開かない、閉まらない、鍵も掛からないといった現象が起き始めました。この現象は、直射日光が玄関ドアに直接当たる春・秋の午前中に発生しており、太陽熱によりドアが戸外へ向かって反っていたと思われます。ドアは鉄製のオーダー品で(オーダーは私ではなく、施工側に拠ります。いわゆる建売販売の物件です。)、開かなくなったときは中央から下にかけて隙間(5mm程度)が出来る状態でした。これに関し施工した工務店に対処を依頼しました。
 工務店も当初は反りを認めようとせず(ろくな調査もせず)ドアパッキンの交換や丁番の調整で対応しようとしましたが一向に改善せず、何度もクレームを入れた結果、約1年後にドア自体の交換となりました。その段階ではようやく工務店側も反りを認めました。しかし、この交換も同じ仕様のものの色違い(熱吸収が少なそうな色)への交換であり、その後も同じ現象は続きました。再三の申し入れにより再度交換となり、今度は内部に断熱材を入れたり、下部に空気を逃がす穴を開けたとの説明がありましたが、異常に重いものとなり、毎日の開閉にもストレスがたまるようなものでした。更にドアが開きにくくなる現象も改善せず、根本的な改善(私の素人考えでは素材自体に問題があり、別素材のものへの交換)を要求してきました。ここまできて、工務店側の回答がアフターサービスでの対応(調整等)では限界であるため設計側へ連絡を取る、場合によっては売主と直接相談をして欲しいといったものへ変わってきました。交渉を行うこと自体はかまわないのですが、そうなることによって責任の所在があやふやにされることを危惧しています。
 お尋ねしたいのは、上記のような場合交換を正当に要求できるか?ということ、その場合責任を取るべき(交換等に応じる必要がある)のは、どの立場の業者になるのか?という点です。私がこれまでやり取りしてきたのは工務店であり、売主へは今のところ連絡は取っていません。また、設計側へは最近(ここ1ヶ月ぐらい)ようやく本件が工務店より連絡された様子です。
 拙い文章で伝わりにくいかとは思いますが、何卒アドバイスいただけますよう、お願い申し上げます。
 南面に玄関があるのだと思いますが、夏場は太陽高度が高くなるので、受熱量が少なくなり太陽高度が中間にある春と秋に起きる現象です。このような場合には、重いドアにしなくとも、表面に太陽熱の70%も反射させる、熱遮熱シートを貼り付けたり、庇を工夫して太陽熱が当たらないようにすることで解決が出来たとも思われます。
 本質問は今後の対応ですが、基本的には販売者が第一責任者となります。不具合が生じたら先ず、販売者に状況を報告して対応していただくことです。その建主からの報告を元に、販売者は設計者や施工者に連絡をとり、然るべき対処法を検討して措置を行います。
 本件は先に建主さんが施工者に対応を求め、逆になったようですが、不本意と思いながらもここまで行う施工者は少ないと思います。施工者は販売者の下請け関係にあり、元請の販売者に知られる前に、出来れば施工者で解決したかったのだと思われますが、本件はその限界を超えたと判断したようです。
 販売者は建主さんからクレームが来た時に、その要因を特定するため設計者や施工者と連絡を取り合います。場合によっては玄関ドアメーカーに改善を求める対応を行ったかも知れません。販売者は施工者、設計者、メーカーに対して元請としての強い立場にありますので、建主さんと異なる対応が出来たと思われます。
 販売者がユーザーさんが満足できるようになるまで、何処まで対応できるかはその業者によって異なると思います。本件の場合は瑕疵担保責任などの法的責任の対象外になるため、販売業者の誠意に委ねる方法しかないのが実状だと思われます。あくまでも施工責任と言う範囲での対応を要請するので、感情的にならず、上手に対応していただけるような環境を作るべきです。