高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

家の外回りについて

外壁や屋根のデザイン、土地の水はけなど

2021.07.08

擁壁にヒビが。白っぽいものが流れ出している!

質問者/滋賀県大津氏滋賀里・IKさん(匿名希望)(会社員・31才 男性)

 はじめまして。ネットサーフィン中に偶然このページを見つけました。
 擁壁のひび割れについてご相談したく、メールを差し上げます。
 我が家は築3年目の木造住宅で、ボックス型のコンクリート車庫の上に高さ1mほどの擁壁がたっていて、その内側に土が入れてあるという構造になっています。擁壁は家を建てた業者が発注して、家の建築の半年くらい前に完成したものです。
 昨日、この擁壁にひびが入っているのを発見しました。幅は最大で0.1mm、長さは擁壁のてっぺんから上下方向に50cm程度です。さらに、擁壁のてっぺんから20cmくらい下に、これと直行する(横方向の)ひびが長さ20cmくらいあります。縦方向のひび割れの終点からは白っぽいものが流れ出して付着しており、真中あたりからは鉄さび色の汚れがわずかに出ています。擁壁の上面にはコンクリートブロックが載っていて、ひびの深さ等を見ることはできない状態です。至急、補修を行ったほうが良いと思うので、家を建てた業者に見てもらおうと思うのですが、それに関連していくつか質問があります。(業者に言いくるめられることのないように知識を得ておきたいのです)
 ご教示いただければ幸いです。
 
(1)一般的に言って、どの程度の補修が必要なのでしょうか。ひび割れ部に上から何かを塗り付けてふさぐ程度でよいのか、それとももっと大掛かりな作業をする必要があるのでしょうか。
 
(2)住宅自体は10年保証の高耐久使用なのですが、擁壁については「民法の規定で、保証期間は2年間」と聞いたような気がします。これがほんとうなら、補修は自己負担ということになると思うのですが、本当にそうなのでしょうか。
 
以上、突然の質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
 鉄筋コンクリートはどんな好条件においても収縮クラックといって0,1mm程度のクラックは発生します。ほとんどの場合、態勢に影響の無い事が多いと思います。しかし、そのクラックが3mm、4mmと成長するようですと構造クラックといって、埋め込んだ鉄筋とコンクリート分離しはじめている事を示し、その対応が必要となります。
 本件の場合、典型的な収縮クラックと思いますが、鉄筋がコンクリートの表面の近いところにある場合があり、注意深く観察する事も必要です。コンクリートの小さなクラックからは、白や赤茶色の物質が染み出す場合がよくありますが、必ずしも重大な問題が起因しているとは限りません。
 対策としては、左官やさんがセメントを練り込む程度の補修でよいと思いますが、時々、クラックの状態をチェックするようにして下さい。
 保証の問題ですが、本件の場合費用はほとんどかかりませんので、その期間の事を持ち出すのではなく、施工業に甘えるつもりで不安を打ち明け、ついでの時に補修をして貰うようにして下さい。もし最悪、大掛かりな補修工事を必要とする場合(本件では無いと思うが)、裁判費用をかけて補修工事費用を民事で争っても、施主にとって利につながる事は難しいとおもいます。
 いつの場合も業者に対し、保障期間と保障内容を追求するのではなく、信頼と友好を持って、施主が施工者に甘える方法が良いと考えます。結果として必ず施主のほうの利益が多くなると思います。