高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

工事ミス・トラブル

床下浸水やアルミサッシの歪みなど

2023.05.22

台所の配管工事ミスの原因は食洗機?

質問者/大阪府藤井寺市・T.Oさん(会社員・34歳・男)

 2年前に木造2階建てを新築しました。ここ数ヵ月、台所からドブのようなにおいがしており、食器洗い機の排水が壊れたのかと思っていましたが、最近になってショウジョウバエが付近から何匹も飛んでくるようになったので、購入した工務店に連絡して調べてもらうことにしました。
 すると、びっくり……なんと、床下が汚水で、まさにドブのような状態になっており、床下一面が、まさしくドブ状態! 真っ黒な汚水が10センチ以上の深さで、床下収納を取り外すと、悪臭が一気に舞い上がってきて、鼻が曲がってしまいそうな状態でした。
 業者の話では、原因は食器洗い機の熱で、配管パイプの継ぎ目の接着剤が取れたようだとのことでした。また、流し台の配水管が40センチほどしかなく、あと1メートルほど長くして、食器洗い機を迂回していたら大丈夫だったとか…。それで、住み始めてから2年間分の台所の汚水が、床下にモレ続けていたというものです。ポンプで半日以上汲み取りをしてもらいましたが、まだ完全にきれいになっていないようで、今後も何日間か他の作業が続くようです。外からも家のまわりを確認してもらったら、コンクリート部分にも水がしみていたようでした。元請けの工務店は平謝りでしたが、工事業者はミスとは認めておらず、事故だと主張する始末でした。気づかなかった私が悪いのか、配管ミスが悪いのか…というよりも、もう、こんな家には住めないのではないかと思っています。まだまだローンは山ほど残っているのに…。
 今後、工務店とは話し合いをするつもりですが、こんな初歩的な工事ミスの物件が公庫の対象物件だったなんて考えると、配管工事の検査なんて、いかにいい加減なものかと思いました。工務店には、2年間もこの状態が続いていたとすれば、今後どんな症状が出てきそうかを調査して欲しいと依頼していますが、それよりも、こんなところに2年も住んでいたのかと思うと、自分の体がどうかなってしまっていないかなど、いろんなことを考えてしまいます。
 配管の手直しはこれからですが、今後どのような処置をしてもらう必要があるのでしょうか? また、この家に住み続けて問題ないのでしょうか? もし住み替えを考えないといけないようであれば、この家は買い手がつくのでしょうか?
 どなたかアドバイスいただけませんか?
 少なくともこのまま住み続けたら、住む人の身体に大きな疾患をもたらすだけではなく、家の構造体も完全に腐食菌に侵されていたことでしょう。また、住み替えのため、買い手を見つけ出して有利な条件で売り出すことは、いっそうの困難があると思います。今からでも十分に復旧施工が可能です。
 下請けの工事業者は、元請に対して補修責任を問われますので、ミスを認めようとしないのでしょう。しかし、責任は元請の工務店にあり、その工務店も非を認めているわけですから、この時点で気がついたことを幸いと思うべきです。
 工事も人が行う行為ですから、絶対にミスがないといえません。しかし、本件は、施工者側の一方的な施工ミスですから、施工者は一刻も早い対応が責務です。
 下請け工事業者は、元請工務店との下請け代金や約定など、面倒な事情が散在している場合もあります。したがって質問者は、施工責任を有する元請工務店と補修交渉を行うべきです。
 対応ですが、まず、排水管の完全補修は当然です。それから、床下を完全に乾燥状態に回復させる処置を早急に取らなければなりません。土台などに腐食菌が発生している場合は、防腐防蟻処理も含めた、その改修施工も当然、行わせなければなりません。その補修費用の捻出は、原因を作った下請け業者と元請工務店との間で行われる事項です。その監督責任を怠った元請工務店の責任も重大なのです。
 上記の復旧施工を行えば、住み続けることに何の支障も生じないと思います。ともかく住み替えを考えたくらいにショッキングな事象だったわけですから、元請工務店に確実な改修施工を実行させることです。質問者もあまり、感情的にならずに冷静に落ち着いた態度でのぞむのが、交渉の最大ポイントでしょう。