高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

構造・建材について

断熱性や防音性、構造の強さなど

2021.02.22

床下のかび

質問者/北九州市・HRさん(主 婦・64歳・女)

 築33年の木造家屋(水田1m埋め立て。布基礎)のことでお尋ねいたします。

(1)床下の白、黒、緑のかびで困っております。床下の土も湿っており、布基礎コンクリートの5~7cmくらい、水で濡れたようになっております。このHPで砂をまき、ポリフィルムを張るとありましたが、その際、砂の下の水分はどのようになるのですか。また気温が上がったり、通風孔から風が入ってきても、ポリフイルムが邪魔して、いつまでたっても砂の下の土は乾かないのではないのでしょうか。

(2)隣地(うちより30cmくらい高い)の家からいつも水が少々流れてきて、隣地との間の溝(セメント塗り)に滞っています。何年もの交渉の結果、風呂や台所の壊れたパイプは直してくれましたが、まだ旧式のため枡から白い水などが流れております。その溝は勾配も少なく、3分の1くらい剥げかかっています。隣地は擁壁をついていますが、うちは下から全部ブロックです。その水が滞っている部分のうちのブロックに穴があいています。うちの地面はその溝の底部分から60cm上にあります。またこの溝にはまだ3軒上のほうからも流れてきており、雨の時には水かさ8~15cmになります。うちも擁壁をついて、U字溝にしないといけないのでしょうか。この一面だけで23mもあり、金銭的に悩んでおります。

(3)屋根(化粧石綿スレート葺き。1度塗り替え済み)がかなり傷んでおります。現在のものは昔のより品質が大分良いと聞きましたが、葺き替え時期にきているのでしょうか。

長々と読みづらかったことと思いますが、ご意見いただければ幸いに存じます。  
 床下環境がかなり深刻な状況にありそうです。床下に白、黒、緑のカビがあるということですが、そのカビが土台や柱に波及すると家の構造体に大きなダメージを与えます。
 文章だけで詳細を掌握できませんが、水はけの悪い地盤であることはうかがえます。1階の床面から、床下の地盤面までどれだけの寸法があるかにもよりますが、外部地盤面(GL)から床下地盤面が10cm程度、高くなっているかどうかを調査すべきです。おそらく、GLと床下地盤面が同等か、床下GLが低くなっていそうにも思います。
 ポリフィルムを敷き込むのは、GLより床下地盤面が高くなっていることが前提です。もし、同等か低い場合は、砂か砂利などを仕込んで高くすることが必要です。床下寸法の関係でそのような手法ができない場合は、深い側溝か暗渠をつくる必要があります。高額なU字溝でなくとも素掘り側溝でも効果があります。床下の地下水面位(地面を掘って出てくる水の高さ)を低くすることが目的です。側溝設置の費用もかかりますが、構造体の腐朽菌増殖を止めなければ、もっと深刻な状態になることも考えられます。
 屋根(化粧石綿スレート葺き。1度塗り替え済み)はそろそろ葺き替え時期になっているように思います。「現在のものは昔のより品質が良い」といいますが、33年前のスレート屋根と比べますと、現在は無数の種類が販売されており、価格や種類によっては、高耐久性能にかなりの格差があります。慎重に選定すべきでしょう。