高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

結露と換気の問題

窓の結露や壁のカビ、床下の換気の悪さなど

2023.07.19

天井からの結露水?

質問者/名古屋市千種区・SYさん(会社員・35才 男性)

 5年程前に両親と新築しました2世帯住宅の結露で困っています、アドバイス頂ければ幸いと思い投稿させて頂きました。住宅は一部3階建ての鉄筋コンクリート造りの住宅です、外壁は打ちっ放し、窓はアルミサッシ(1重窓)、屋根はコンクリート表面に防水の為のゴム性の樹脂を塗った仕様です。南北に細長く狭い土地(約33坪)に有る程度分離型の2世帯住宅という希望で地元の建築事務所に依頼し設計して頂きました。
冬は概ね全ての窓が結露します、又、2階北側にリビングを設けたのですが、激しく冷え込んだ翌日の日中に天井の端から雨漏りの様に水が垂れてきます。
 天井に覗き窓を開けて覗いて見ると冷え込みの厳しい夜は屋根裏のコンクリート表面の結露が凍り付いており、垂れた水はその氷が翌日の太陽熱で溶けて発生したものと判りました。
 2階リビング部分は12畳程の広さで壁、天井ともプラスターボード、北側壁上部に大きな3角窓、天井裏にグラスウールの断熱材が入り、20㎝程の空間が開いてコンクリートの屋根部分となっています(リビングの上だけ3階は無い)、断熱処理はグラスウールのみでウレタンの吹き付け等はされていません。
 暖房は室外排気型のガスファンヒーターを使用しています。
 現在、解決方法として屋根裏の断熱処理の強化(ウレタン吹き付け)か屋根を断熱効果の有る瓦葺きに変更しようか検討しています。
 設計を依頼した建築事務所に相談しましたが、費用面でこじれるのを嫌ってか真摯な対応をしてもらえず、又、施工した建築会社からも業者を使えば費用がかかるから市販のウレタンスプレーで自分で対処したほうが良い等と言われています。
 アドバイスを頂きたいのは、費用対効果の点から選ぶとすれば、天井裏断熱の再処理か瓦葺き、又、それ以外でも何か有効な方法が有りますでしょうか?
 長々と書いてしまいましたが、何卒宜しくお願い致します。
 本件の解決法を質問内容から判断しますと、屋根面に接する天井を取り外し、屋根コンクリートの部分にウレタン吹き付け発泡断熱を行うことが最も有効かと思います。
 外壁面に結露が生じていないようですが、壁には断熱が施されているものと思われます。屋根面を天井へのグラスウール断熱で行ったものと思われます。一般に用いられる施工法です。同じつくりの住宅でも、結露を生じさせないところも多くあります。これは、所帯毎のライフスタイルの違いで、生活発生水といって、住宅内に発生させる生活の仕方に違いがあるからです。 例えば、金魚や熱帯魚を飼っている、観葉植物がたくさんある、洗濯物を室内に干す、家族が沢山いるなどの要件が揃えば、住宅内の水蒸気量が上昇して質問のような現象が起きやすくなります。一概に施工や設計に落ち度があったと言い切れません。
 対処法は、瓦葺きの場合の費用と、その場合でも天井の断熱を補強しなければならないことがあります。
 市販のスプレーウレタンは、充填作業には向きますが、全面に均等に断熱層をつくる施工に向きませんし、むしろ相当な費用がかかります。多少費用はかかりますが、天井と屋根との間が20cmしかありませんので天井の一部取り外しは致し方有りません。
 ウレタンの厚さは、50ミリから80ミリ位を20ミリ位ずつの層を重ねて施工します。天井裏の外部の壁面立ち上がり部分から、屋根面全部を断熱することによって、本件は解決出来ると思います。