高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

工事ミス・トラブル

床下浸水やアルミサッシの歪みなど

2023.07.20

FRP防水が浮いてきた。また、施工方法が申請書に記載されている方法と違う

質問者/岡山県津山市・ONさん(自営業・43歳・女)

 施工後5年目の屋上のFRP防水の一部(80四方くらい)が下地から浮き、ふわふわしています。ヒビなどは入っていないように見えます。下地のコンパネが傷んでいるかどうかは、今のところ確認できません。
 施工業者に連絡したら、その部分のFRPをはがして、もし下地が傷んでいたらその部分だけのコンパネを切り取り、新しいものに替え、その上にFRPを張り直し、その上にもう少し弾性のある防水を施します、と返答されました。
 が、コンパネが切り張りされたり、FRPの厚さがその部分だけ違うということに不安を覚えます。その補修方法で大丈夫なのでしょうか? また、今さらですが、建築確認申請に提出された仕様を見てみましたら、わが家は準防火地区にあるため、FRPの下地には18合板プラス防水シートプラスラス地25と書いてありました。今思うに、下地合板は12の普通のもの、そしてその上に直にFRP層を重ねたと記憶しています。
 このことは、今さら建築業者にクレームを言っても良いものでしょうか??
 ご回答のほど何卒よろしくお願いいたします。
 まず、FRPの補修方法ですが、業者が仰せのとおりの補修法が最も常識的な方法と思われます。
 FRPは何層にも樹脂を重ねますので、上部を弾性の強いものにするという意味なのでしょう。
 しかし、FRPが下地から浮き上がることは決して珍しい現象ではありませんし、それがそのまま漏水事故になるとも限りません。仰せのとおり、補修が動機で漏水事故につながる場合も少なくありません。むしろ、無理に補修工事を要請せず、業者には瑕疵担保責任の期間10年を15年くらいに延ばすことなどを条件にして、様子を共に見守るような交渉をなさったほうが賢明と思われます。

 確認申請と実際の施工が異なっているほうが問題だと思います。
 準防火地域は防火被覆が必要なので、確認申請ではモルタル下地が容易となる防水シート、ラス下地、モルタル25ミリの仕様にしたものと思われます。しかし、FRP仕様のほうがはるかに漏水事故の確率が低くなり、信頼性の高い防水法といえます。施工価格も防水シート、モルタルと比較すると、素材にもよりますが、高価なものが多いようです。

 上記のように幾重の確認事項はあります。しかし、業者との心情的な対立は、建主さん側に不利益しか与えません。上手に業者さんをモチベートして質問者の利に沿った交渉を行うべきでしょう。