高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

構造・建材について

断熱性や防音性、構造の強さなど

2009.11.20

床が沈んでる? 2008.11.20掲載分

質問者/神奈川県小田原市・小田原のNISさん(会社員・37才 男性)

 8月に新築した建物の不具合について、お尋ねします。
 まず、建物の主な仕様は以下の通りです。
1. 東西 約7.3m、南北 約10m 1Fが21坪、2Fが13坪の木造軸組住宅です。(高耐久仕様)
2. 基礎は布基礎ですが、東側が高さ約2.3mの擁壁があるため、市の指導もあり、地山まで掘り下げて、約2.3mの深基礎としました。基礎の立上がりは、”E”の字+1本のような形です。
(”E”の左側が東側で7.3m、南側が3.6m、北側が3.1m)
3. 東側に約7.3m×3.5mのLDK(フローリング)があります
4. 東側(擁壁の下)は、幅1.5mの地山-幅1mの用水路-田んぼの順となっています。昭和44年に、斜面だった部分に盛り土をして周辺(7軒分)を造成し、私が購入した土地は駐車場(未舗装)として、昨年2月まで使われていたとのことです。
 
 不具合は以下です
 
(1)入居後、2ヶ月程度で、LDKを歩くと一部でギシギシ音が発生し始めました。
 業者によれば、束基礎と床を支える柱の間に1mm程度の隙間があり、深基礎作成のため大穴を掘り、埋め戻したので、束基礎部分の土が若干沈下した為と言っていました。少し長い目で見て、土が落ち着いてから、束基礎と柱の間に 詰め物をするとのことでした。
 今年2月に、同じ業者がレーザによる水平度測定をしたところ床上で最大2mmのずれであり、許容範囲とのことでした。いまのところ、傾きを感じる事はなく、場所は部屋の中央よりです。(当該位置の床をゆすると、床板と束基礎が衝突するような音がする) いつまで待てば落ち着いたと判断できるのでしょうか、また、上記対策の妥当性について教えていただきたくお願いします。なお、本基礎部分は問題ないとのことでした。外観上、今のところヒビ等は見当たりません
 
(2)LDKの北側に冷蔵庫、棚、食器棚を壁にくっつけて設置していますが 壁と床の隙間が最大5mmあり、床が沈んでいるように思えます。床下収納から床の下部を見てみましたが、曲がり、破損等は見つけられませんでした。 
 他の部分も1~2mm程度の隙間がある個所がありますが、木造なのでこのくらいは仕方ないと考えています。この部分の基礎本体は、外観上ヒビなどが無く、近くのドアが傾いでいる訳でもないので、基礎本体の沈下はないと考えています。大引きと根太がなじんだ結果、沈んだのでしょうか?
 どのような原因が考えられるのでしょうか?上記個所は業者の技術者は見ていませんが(営業には見せた)、近々纏めて修復工事をすると言っています。
 
 これまでに数件、不具合がありその都度、調査、一部対策はしてもらっています。業者は一応 誠実な対応をしてくれているし、まじめな業者だとは感じています。
 間取り、建材など、比較的満足のいく住宅ができあがった反面、細かな不具合でも、気になってしまいます。不具合の許容範囲をどこにすればいいのか、なかなか判断がつかないし、業者の言っている事が妥当なのかも判断できないのが実状です。
 新築されて8ヶ月、特に暖房を必要とする冬期間を経過しますと、本件のような質問が多くよせられます。詳細な状況を記述頂きましたが、NISさんが思っているいるように、基礎部分に問題は無く、ごく常識的な木材の収縮による現象と思われます。主要構造材の梁や床板を支える根太の背丈が、乾燥によって収縮し、質問のような問題が発生します。新築時の梁や根太の乾燥状況(含水量)によって、5mmや6mmの隙間が生じる事がございます。建物は木材、内装部材、建材などの構成部材が、乾燥収縮して定着するのに1・2年の期間を要します。乾燥収縮の障害は、特に昨年8月竣工で一冬を経過した現在がもっとも顕著に現れます。更にこの春の乾燥時期を経過し、一転して梅雨の時期をむかえますが、襖や和障子などにも微妙な変化が生じます。
 施工に不信感を持ち抗議調の修復依頼をすればおそらく貴方が損をします。施工業者も誠実に対応している様子で、まとめて修復工事をするというのも、一定の時期を経過する事が重要だからです。施工業者を信頼し、業者が気持ち良く修復作業が出来るように、関係者に気配りをして下さい。本件の問題は必ず解決出来る事でしょう。