高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

契約・法規のトラブル

業者側のミスで発生した補修工事費用など

2010.01.12

雨漏りを繰り返す家は、全体調査が必要でしょうか?

質問者/Tさん(会社員・32歳・女)

 初めて相談させていただきます。2006年に新築建売住宅を購入し、現在築4.5年の戸建てに住んでいますが、入居後3ヵ月にして2階の窓サッシから雨漏りをしました。その3ヵ月後に今度は1階の窓サッシから雨漏りし、どちらも施工業者に無償で修理してもらいましたが、原因は「サッシの防水シートの不具合」とのことで、さも簡単そうに「防水シートを直したら大丈夫ですから」と言われました。その後は雨漏りはなかったのですが、今年、1階の別の窓から雨漏りし、窓の周囲の壁紙の切れ目が目立つようになり、触るとボコボコとし、変形しているようです。また、家全体で壁紙と壁紙のつなぎ目が目立つようになってきました。そこで質問です。

(1)この壁紙の隙間と壁のボコボコは雨漏りが原因なのでしょうか?
(2)検査機関にて検査を実施している新築なのに、このように何度も雨漏りがあるのは、いわゆる「欠陥」なのでしょうか?
(3)家全体を、雨による被害がないか検査したいのですが、施工業者は経営が厳しくなったとかで、やってくれそうにありません。別の業者で実施した点検費用を、施工会社に請求することはできないでしょうか?

 わが家はツーバイフォー工法の木造3階建てで、外壁はモルタル吹きつけ、屋根はスレート葺きです。
以上、ご回答を何とぞよろしくお願いいたします。
 平成12年4月以降に建築された新築住宅には、竣工までの設計や施工などが要因で雨漏り事象が起きた場合、施工者や販売者に対して10年間の責任対応を義務づける法律があります。本件の雨漏り事象は、その対象になるものと判断されます。どこの機関でどのような検査を受けようが受けまいが、工務店は、雨漏り事象の責任を逃れることができません。
クロスの剥がれなどの現象は、雨漏りが直接の要因かどうかを断定できませんが、建築して数年で構造体や建材などが乾燥などによって内装の継ぎ目に隙間をつくることは珍しくありません。その件についてはマメに対応していただくことになるのでしょう。
 雨漏りは、いわゆる「施工欠陥」ということになります。そこで、「瑕疵担保責任」という法律で施工者や販売者は、雨漏りが起きないように対応してその責任を真っとうするように定められています。施工者、販売者が雨漏り事象に対応しなかった場合は、住宅紛争処理センターという、地域の弁護士会館などに窓口が設けてあり、ここへ申し込みます。
 本件の場合は、施工者がそれなりに対応を行っているようですので、第三者に検査をさせて、その費用を弁済させることにはかなりの無理が生じると思います。とにかく施工業者に対してはできるだけ感情的にならず、穏便で速やかに対応していただける、人間的な環境を整えることが最も賢明な対応と思われます。