高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

工事ミス・トラブル

床下浸水やアルミサッシの歪みなど

2022.01.19

室外機の騒音、排気

質問者/岡崎市・Sさん(主 婦・57歳・女)

 静かな住宅街に住んでいます。1年前にお隣が新築され、うちとの境界線から60cmのところに建物が建ち、外にはエアコンの室外機9台、ガス給湯器(風呂、床暖房)2台が並びました。リビングの窓のうち、境界線側の窓はガス給湯器に面しています。冬は音が気になり、夏は窓から排気ガスの臭いも入るようになりました。大手住宅メーカーなので他の支店に相談したら、普通は分散して設置するものだと驚かれました。ガス給湯器は、境界線から30cmのところにありますが、注意書きのところに「可燃物から60cm以上離すこと」とあるのも気になります。
 担当の支店に相談したところ、「ガス給湯器が隠れる高さ(1.5m)の塀を設置。ガス給湯器の排気の向きを変える」という回答を口頭で受けました。メーカーがお隣に交渉しましたが、「法律に違反していないので、費用負担は施工主」と言われ、お隣が設置した塀はエアコンの室外機の高さ70cmのものです。また、まだ冬の初めなのでよくわかりませんが、音にあまり変化が感じられません。
 今回ハウスメーカーに相談して何人かの人に「よく起こる問題です」と言われました。素人の施工主には把握しがたいけれど、専門家にとって想定内の問題。問題源をつくり出し、それに対処する費用は住民負担なのです。これから我が家が高い塀をつくったり、窓を2重にしなければいけないのでしょうか? ある支店の方は「音は窓からだけ入るのではなく、建物全体に響く」と言われましたが…。家電メーカー、ハウスメーカー共に商品をつくりっぱなしにせず、低周波の研究など、環境に配慮してほしいと思います。
 穏やかな住宅街で、後から建築した家の騒音が、先に住んでいた住人にストレスを与える場合がたびたびあります。機器の騒音対策もさることながら、すでに住んでいる住人との末永い友好関係を保持する配慮があれば、このような問題は起きなかったように思います。一番密接な関係が伴うのが隣人なのですが、隣がゆえに本件のような問題を起しやすいのです。
 機器メーカーも、騒音対策は大きなテーマとして相当な研究開発をそれなりに行っており、機器仕様には騒音係数が記入されています。低周波騒音、高周波騒音など、さまざまなテストを行いながら商品化を図っています。しかし、騒音とは、騒音係数に関係なく、誰かが騒音と感ずるとそれが騒音なのでしょう。だからといって、隣近所に人の住まいを拒否するわけにもいかず、隣人関係を壊さないようにしながら、ストレスを感じないような工夫が必要なのです。
 まず、生涯にわたり隣に住み、いつも顔を合わせる隣人と仲良しになることが前提となります。対象隣人との信頼関係を保持しつつ、一緒に騒音対策を思考します。例えば樹木を植樹するとか、こちら側の壁に吸音部材を取り付けるなどの対策があります。人が暮らすということは、地域社会との友好的な交流が不可欠です。質問者の一方の隣人との友好関係も含め、人間関係を一番とした知恵と工夫を駆使すべきと思います。