高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

結露と換気の問題

窓の結露や壁のカビ、床下の換気の悪さなど

2022.02.10

床下の結露・湿度

質問者/石川県・IHさん(主婦・47歳・女)

 7年目の軽量鉄骨の家です。土台・大引き・束は鉄製で、断熱材の回りは木です。梅雨時になり、雨が降ると床下の一部に防湿シートの隙間の砂が水を吸った色になり、見える範囲の内部の基礎立ち上がりも砂面から10cmは水を吸った色になります。鋼製束も結露します。今年の7月15日から雨がふったので、16日に床下を見ると砂が水を吸っていて、断熱材を見ると床下全面、大粒の結露が発生していました。1週間くらいで両側の床下の結露は濡れているけど、粒が無くなりました。
真ん中の床下は10日位は変化はありませんでしたが、段々と粒が小さくなり、3週間たちましたが、一部に小さい結露が見える程度になりました。一度発生した結露はその後雨が降っても、粒に変化は無く、解消されていっています。
 しかし、砂が水を吸った状態、基礎立ち上がりが水を吸った状態は9月中旬まで、解消されません。それ以降は乾いて雨が降ると砂は水を吸いますが、立ち上がり部分は乾いています。この状態は、雪が積もる頃は雨が降っても砂は乾いています。5月上旬も乾いていました。
 家は斜面の下に有ります。コンクリートの犬走りと防湿シートは同じ高さでその上に5cmの砂が載っています。地面は元の地面から50cm下に50cmの表層改良をしています。スイッチ・コンセントから、風が出ていて、それは床下の隙間風が原因と住宅メーカーに言われました。「高気密・高断熱の住宅なのに」そうしたら、床下の湿気も壁の中に入っているのでしょうか。現在スイッチ等には防気カバーを付け、風は出ていません。
 家の中は梅雨に入ると、エアコン、除湿機を使い、毎日除湿をしているので、室内にカビ等はありません。7年目ですがメーカーに床下は問題ないと言われても、毎年気にしてきました。今回全面に結露していたので、メーカーに相談すると、換気扇をつけた方が良いといわれました。南、西、東は空間は広く、風の通りも良く、北は斜面です。良い改善方法が有りましたら、アドバイスをお願いします。
 床下地盤面の高さに問題があると思われます。床下地盤面が外部の地盤面より低くなっている時に発生する事象です。また雨の降り方で地下水面位が異なり、本件のような現象を起す場合があります。床下が水浸しの状態ですと、湿度も90%程度になっていると推察されます。その時の露点温度が、周辺気温より数度低いところとなり、床下全体が地熱の影響を受けて露点温度以下になっており、本件のような事態になる場合があります。
 対応策としては、床下地盤面を外部地盤面より最低5センチ程度を高くする必要があります。一部の床を剥がして床下に砂を充填し、均一に均します。その上にポリフィルムを重ね幅を大きくして敷き込みます。重ね部分には乾燥した砂を被せてください。上記の対応で床下の乾燥状況を維持できると思われますが、鉄製の床束の酸化を防ぐために防錆処理を施す必要がありそうです。防錆塗料を塗布するなどの対応が必要と思われます。
 高気密・高断熱の概念をどこにおいているかは、ハウスメーカーや工務店が独自の尺度で謳っているだけで、確たる基準があるわけではありません。一般の住宅で、高気密高断熱の基準に限らず、床下の空気が壁の中に連通している事が問題です。床断熱層、壁断熱層、天井断熱層はそれぞれが断点なく連なっている事が前提です。しかし、断熱層の空気が床から壁、壁から天井に抜けているような構成にならないようにしなければなりません。
 本件の居住空間への影響は、床下から壁の中に空気が流れ込んでいるものと思われます。
 床下から壁の中への空気の流れ込みを防ぐには、その部分にグラスウールを突っ込む事で完全に防ぐことができます。難しい仕事でありませんので、早速メーカーさんに要請すべきと思われます。