高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

構造・建材について

断熱性や防音性、構造の強さなど

2011.06.15

断熱材は何がいいのか

質問者/富山県富山市・SHさん(会社員 29歳・男)

現在新築住宅断熱材についてなにが適当なのかわからずに悩んでいます。木造住宅在来工法で考えています。グラスウールかロックウール、硬質ウレタンそれぞれの特徴性能等を詳しく教えていただけないでしょうか。初めての家造り失敗したくありませんが、それぞれの住宅メーカーで採用している断熱材が違いそれぞれのメーカーが自社の断熱性能の高さをアピールしてきます。是非ともそれぞれの断熱材の長所短所お教え下さい。
家の寿命と断熱材の種類が大きく関連します。
 断熱材には、1.グラスウール、2.ロックウール、3.セルローズ、4.スチレンフォーム、5.ウレタンフォームなどの種類があります。夫々が一長一短があります。価格も安く一般的なのが1.グラスウールです。湿気を吸うと吐き出し難いと云う泣き所があり、富山での気候を思えば避けたい断熱材です。2.セルローズと3.ロックウールは価格が高いのですが、吹き込み方式で壁の中や天井裏に充填します。壁などの狭い空間にびっしりと充填しますので安定した断熱効果が得られます。湿気を吐き出し易い組成も評価できます。当然価格はグラスウールより高くなります。しかし、この1・2・3・の断熱材は何れも断熱材の中に乾燥した空気を静止させて断熱します。床下や壁の中の断熱材が何十年も乾燥したままにしておくのは大変難しい事ですし、その為、施工の難しい対処(透湿シートや通気層などの工夫)や整備をしなければならず、リスクの大きな断熱材と言えます。特に湿気の多い地域では空気を静止させる以外の断熱が良いでしょう。
 4.スチレンフォームは、発砲スチロールとも言われているものをイメージしてください。発泡の気泡の中に熱の伝え難いガスが閉じ込められて断熱します。湿気が入って断熱性能が劣化することはありませんが、熱に弱く7~80度以上の熱で熱劣化が起きます。熱に対する処置が必要です。この種類の断熱工法は、外張り断熱の構造が多く、熱容量(蓄熱量)が多くなり安定した温熱環境を造る事が容易です。
 5.ウレタンフォームは、同じくガスを閉じ込めて断熱し、スチレンフォームより更に断熱効果が高くなります。しかし、火に弱く簡単な火花で引火する事もあります。当然その為のしっかりとした処置が求められますが、合板などで挟み込んだ断熱パネルでは、熱容量(蓄熱量)は劣りますが、この引火性の問題は解決できています。
 いずれにしても断熱材の採用の結果において以後、壁の中の結露・カビ・床の腐れ・寒い・暑いなど、大きな問題に波及することが多くあり、本質問コーナーなどでの勉強など、研究をし尽くしていただきたいと思います。家を安易に情緒性だけで求める傾向がありますが、SHさんのように勉強をしつくす態度が家を求める人、全部にもとめられます。