高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

構造・建材について

断熱性や防音性、構造の強さなど

2022.12.23

床下に断熱材が入っていない

質問者/宮崎県宮崎市・NTさん(公務員・41歳・男)

 家を新築し初めての冬を過ごしています。南国宮崎といえども冬はやはり寒いです。宮崎は断熱性能地域区分が「V」ということで断熱材は屋根と外壁まわりにグラスウールが50施工されています。1階床下は施工されていません。設計図の仕上げ表によると、下地が合板27、床暖12、合板9、仕上げがコルクタイル4となっています。オール電化にしたため、暖房はエアコンと連動したヒートポンプ式床暖房です。床暖房が入っていないところは床が冷たく、また、床暖房で部屋が暖まるという感じはあまりしません。床暖房の熱がかなりロスしているのではないかと思います。電化でナイトを利用していますが、先月は電気料が25000円でした。設計図には当初「床下断熱材ポリスチレン」の記載があったのですが、最終的に削除となりました。その分厚めの材が入っているとの説明でした。おそらくコストダウンのためではないかと今はそう考えます。ということで、エアコンを入れていない部屋はかなり寒いです。
 このままエネルギーを使って部屋を暖めるか、寒くないように断熱材を補うのがいいのかアドバイスください。私としては省エネのためにも後者を選択したいのですが、それって可能ですか。どのような施工方法があり、費用はどれくらいなのでしょうか?
 当然、断熱材をしかっりと充填すべきです。そもそも断熱基準が間違っているとしか思えません。例えば太陽高度の高い温暖地では天井断熱を北海道なみの断熱材厚さが必要です。本件の場合、どんなに厚い床材を使用したとしても、断熱材の熱伝導率と建材の熱伝導率では5倍も暖かさが異なります。今からでも遅くありませんので、床下に潜り込んで下から上に向かって、密度の高いグラスウール(最低50ミリ)か、スチレンフォーム(これも最低50ミリ)を根太と根太の間に正確に切り込んで挿入するか、出来るのであれば断熱材を平板のまま下から根太に打ち付けることが出来ればそのようにすべきです。費用は、現場の状況によって大きく異なりますが、いずれにしても、平方メートルあたり5千円程度で出来ると思います。
 床下に潜り込めない状態の場合は、基礎外張り断熱と言う方法があります。これは基礎の外側にスチレンフォームをコンクリート釘で打ちつけて、コンクリート釘の頭に結束線をくくりつけておき、モルタルラスを取り付けてからモルタルで仕上げます。床下換気口を塗りつぶしてしまいますので、床下の乾燥状態を維持するために、そのGLより床下のGLを最低10センチ以上高くして、その上にポリフィルムを重ね幅を多くして敷き込みます。現場の状況によっては、この方法の方が工事がし易く、価格も安価になると場合があります。
 当然、どちらかの断熱補強を行うことで、省エネで暖房費が半分以下になるだけでなく、暖房空間のクオリティーが格段に向上します。