高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

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2011.08.23

2x4と2x6 断熱材(ロックウール)厚さについて

質問者/りすぞう

2x4でロックウール90mmが標準仕様のハウスメーカーと商談中です。 1階の天井を高くする場合は、2x4でなく2x6となるのですが、断熱材は90mmのままとのことです。 となると、ロックウールのとなりに50mmの隙間ができることになります。これは将来ずりおちたりして断熱性能が劣ってくるなどの問題はないのかと聞いたところ、ハウスメーカーは「ロックウールをしっかり貼り付けるので」問題ない、とのこと。 

「断熱材を140mmにすることもできるが、窓も全てそれ用にしないと、逆に問題になる。 ロックウールの隣に5?の隙間があるのは全く問題ない」とも言われました。

私は断熱材は構造材の間に隙間なく充填するべきものだと思っていたのでびっくりしました。 2x6で90mmのロックウール、50mmの隙間は、本当に問題ないのでしょうか? アドバイスいただけると助かります。 よろしくお願いします。

高気密、高断熱は寒冷地に限った事ではありません。
しっかりとした概念に基づいた家づくりを行うと、冷暖房の負荷熱量は、南東北あたりが暖房費と冷房費が、年間を通じて同等になる分岐エリアとなります。

天井の高い、開放感の伴う壮大な間取りを計画のようですが、それなら一層、断熱性と気密性にこだわるべきです。
断熱や気密性能は、家が出来て住み始めてから、暖かい、寒い、暑い、涼しいとの体感に加えて、暖房費と冷房費が一生涯にわたり影響を与えます。

家づくりは夢づくりとも云います。
大きな吹き抜けで天井の高い居住空間を夢見ているなら、その夢が出来た家で失望に変えてはいけません。
「断熱材を140mmにすることもできる」との事なので、そちらを完全に優先すべきです。

Q値とは、断熱材の熱伝導率(λ値)、開口部の熱貫流率(k値)、隙間相当面積係数(c値)が織なって計算し、家全体の総熱損失量を算出します。
その数値を延べ床面積で割った数値がQ値です。
断熱材でいえば、熱伝導率÷断熱材厚さ=熱抵抗値、その逆数がK値でです。
つまり、断熱材は厚いほど効果があります。

ところが、仰せのようにロックウールやグラスウールなどは、壁中の空気を静止させる事で断熱効果を発揮します。
断熱材と構造部材の間に隙間が出来ればその部分に空気対流を生じさせて断熱効果を半減させてしまします。加えて静止させる空気は乾燥している事です。

このあたりの技術的な知識を充分に積んでいる工務店なりハウスメーカーに設計施工させなければ、家の出来た後に、この住宅110番に相談することになります。

文面から推察すると現在進行しているハウスメーカーとの遣り取りは、とても危うい感じを思考してしまいす。
温熱環境は、家の寿命にも大きく関わります。
この時点で、充分な調査研究をなさり、悔いの残らない家づくりを実践してください。