高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

構造・建材について

断熱性や防音性、構造の強さなど

2023.02.03

外断熱の方法について

質問者/新潟県・KSさん(会社員・25歳・男)

 注文住宅です。その工務店の外断熱通気方法で、内側から壁紙・石膏ボード・ポリスチレンフォーム(50ミリ)・透湿防水シート・胴縁による通気溝(15ミリ)・外壁という構造です。それと天井は屋根断熱ではなく天井断熱にし、グラスウール(100ミリ)で、壁の通気層から棟(屋根)へ換気するそうです。
 しかし、多くの本では石膏ボードと断熱材の間に防湿シートか防湿ボードがはめられると書かれています。工務店に問い合わせましたら、「防湿シートを張ると高気密になり、計画換気が必要」という回答でした。
 ポリスチレンフォームは透湿抵抗が低いとのことですが、内壁結露が心配です。また、グラスウールは吸湿性があるとのことなので換気する際に湿気を吸ってしまうか、心配です。この工務店の方法でも大丈夫でしょうか?
 かなり悩んでいますので、アドバイスをぜひよろしくお願いいたします。説明が足りなければ補足します。
 天井にグラスウールは、壁の断熱材との構成も適切な仕様です。ポリスチレンフォームは透湿抵抗が高いので、質問者の言う内部結露の心配はありません。しかし、新潟県の夏場の暑さを考慮したら、天井裏のグラスウールは最低300ミリは必要です。その場合の小屋裏通気を完全に行うことが肝心です。壁のスチレンフォーム50ミリは、いささか頼りない感じがします。新潟であっても二重重ね張りの70~80ミリくらいにすべきでしょう。
 家は昔ながらの風通しの良い構造にするか、しっかりとした断熱性や気密性を確立するか、どちらかにしなければなりません。中途半端な気密断熱が、家の構造と住む人にストレスを与え、結果として日本の住宅寿命を極端に短くしています。本件質問者自身に、どのような自分の家をつくるのか、はっきりした意思が感じられません。また、ポリスチレンフォームそのものが気密材料です。気密シートの有無に関らず、この住宅では計画換気が必要となります。
 一生一代の家づくりですから、施主自らがもっと勉強し、逆に施工工務店へいろいろなアドバイスをすべきでしょう。