高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

構造・建材について

断熱性や防音性、構造の強さなど

2023.02.27

一日中2階がゆれます

質問者/匿名さん

 半年前に建売住宅を購入しました。最近まで2階で生活することがなかったため気がつかなかったのですが、一日中といっても言い過ぎではないほど、ずっと、2階で揺れを感じます。揺れは寝るときなどじっとしていれば感じる程度です。窓がカタカタとなるので、じっとしていなくても揺れていることはすぐにわかります。本当にずっと、ほとんどやむことなく揺れます。たまに、共鳴したように多少大きく揺れることもあります。ここは30年ほど前に開発された住宅地で、周囲はその当時から建っている家ばかりです。駅から徒歩4分、電車は朝4時~深夜2時ごろまでひっきりなしに通ります。大きな道路は近くにありますが、地方の国道(片道1車線)です。
 私は、電車の振動が伝わっているのではと思いますが、こんなにずっと揺れていて大丈夫なのかと心配です。家に問題があるのでしょうか(欠陥住宅?)。地盤の問題でしょうか。まだ相当ローンがあるのに、払い終わる前に倒壊するのではないかと心配です。耐久性には影響ありますか? 業者に言ってはいませんが、言えば対策があり、揺れなくなるのでしょうか?
 どうぞよろしくお願いいたします。
 国道や電車による地盤の小さな揺れを敏感に構造体に伝えて揺らす要因として、次の2通りの要因が考えられます。
 1つめは、家の構造体で2階部分の効き柱(2階と屋根の加重を1階に伝える最も加重のかかる柱)が、梁や桁で受けており、その下に柱が通っていない場合と、偏芯構造といって、2階の一部が1階の片側に偏っている場合、このような揺れを発生する場合があります。この場合、2階を人が歩いたりしても揺れるので確かめてください。解決策としては、加重を受けている梁や桁の真下に柱を入れてやる補強工事を行うべきでしょう。補強柱が生活空間の邪魔になる場合は、マグサ材などで補強して、横に寄せることは可能です。偏芯での揺れを改善するには、水平補強材を入れるべきでしょう。
 2つめは、地盤の揺れ波長と、この家の構造体揺れ波長がフィットした場合、このように、恒常的な揺れ現象を起こす場合があります。解決策としては、家の周りの敷地内に摩擦杭を打ち込み、地盤波長を変える方法が一般的です。家の構造体で揺れ波長を変える場合、筋交いや耐力壁を外して波長を変える方法もありますが、この場合、正確な構造波長特性の調査が必要です。一般的なのは、さらに筋交いなどを入れて現在の構造揺れ波長特性を変えるのが安全でしょう。
 家の揺れにはこのように、さまざまな要因が考えられますし、その解決方法はどれを採用しても簡単な解決策はありません。しかし、放置しておくと構造体の剛性を保っている金物など緩み、揺れがさらに激しくなることがあります。また、大きな震災に遭遇した場合、その剛性には不安を抱えざるを得ないと思います。対策法は現場の状況によって大きく異なる場合がありますので、業者さんと十分に相談し、上記の解決策を参考に最も安価で有効な対策をとってください。