高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

構造・建材について

断熱性や防音性、構造の強さなど

2023.12.25

高気密高断熱の床下について

質問者/山形県山形市・MKさん(会社員・29歳・男)

  冬はとても寒く、夏は蒸す山形で、高気密・高断熱の家を考えており、業者に相談したら、床下換気を取らないベタ基礎だといわれました。どうしても床下換気を取らないと、湿気をためてしまうような気がします。
 その業者はこのように施工するといいました。
 ベタ基礎コン150ミリの下にポリスチレン断熱材(25ミリ)。その下に防湿シート(0.4ミリ)。その下が砕石です。また、ベタ基礎コンの上は150ミリの空気層を取って、そこは第3種換気で換気、その上にベニヤを敷いて床材です。
 ここまですれば湿気を寄せ付けないと言われましたが、どうでしょうか? ちなみに壁は60ミリポリスチレン+防湿シート+24時間第3種換気です。
 床下は、常に乾燥状態を維持できる環境が不可欠です。本件において相談された業者さんは、いささか短絡的な考えのようです。確かに床下換気口を取り付けるとその部分から湿気を排出しますが、季節によっては湿気を呼び込む場合もあります。また、床下換気口周辺が低温となり、居住空間からの湿気を凝縮して周辺部材の含水量を増加させ、虫害や腐食菌の被害を受けやすいともいえます。
 しかし、ベタ基礎だからといって、万全だというわけにまいりません。本件の建築地域は山形です。基礎仕様において25ミリでは、外気を防ぎきれません。外周に面した部分の土間コンクリートが低温となり、コンクリート含水量が増大する場合があります。
 外周部分だけでも40~50ミリくらいが必要です。また、防湿シートはコンクリート打設時に、穴だらけになり実効が伴いません。一番肝心なのは、外部地盤面より、床下コンクリート面の高さが最低150ミリ以上、
高くなるように施工することです。
 家全体の換気方法ですが、本住宅の気密性能のC値が1.0cm2/m2以下である場合、第3種換気では負圧状態が極端となり、換気が十分となりません。この場合、第1種換気とオール電化を組み合わせるとベターです。