高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

その他の問題

虫や騒音、振動など、その他の問題

2024.01.18

地盤沈下の工事の正しい方法は?

質問者/千葉県松戸市・TMさん(公務員・39歳・男)

 南ひな段の木造2階建ての建売住宅(建坪24坪)を購入して7年目ですが、3年前に床下工事をしてもらった業者が、先日アフターメンテナンスに来て床下と屋根裏を見たところ、地盤沈下のため玄関前が傾き、家全体の基礎や骨組みにひび割れやねじれが出ているので、早急に改良工事をすべきと言われました。工事内容の説明によると、川砂を水で流し込み、水抜き剤で処理した後でタフロンで基礎補修を行い、家屋の補強のために基礎メタルとL型メタルを10数ヵ所に施すというもので、110万円ほどかかると言われました。
 気になるのは、このような方法の工事がボーリング調査もなしに行われて、本当に有効なのかということです。適切な方法と費用の概算を教えていただきたいのですが。
 本文だけで、地盤が沈下する不同沈下なのか、敷地の一部の転圧不足によるものなのかを判断することはできません。不同沈下による場合は、地盤そのものを補強する必要があります。本件の場合は玄関部分が傾いているということなので、転圧不足の可能性もあります。この場合は、その部分だけの補修で済む場合もあります。
 家全体の基礎に亀裂が見られるということですが、ヘアークラックといってコンクリートの収縮によって発生するものでれば、あまり気にする必要はありません。小屋裏などの木材の亀裂についても、縦割り亀裂は木材の収縮によって、細かい収縮溝が、さらなる収縮で大きくなっている場合もあり、これも通常、よく起きる現象です。しかし、不同沈下が原因の場合は、次第に家全体が傾いてゆく場合がありますので、不同沈下かどうの調査が必要と思われます。
 最近、よく寄せられる苦情の中で、訪問販売方法で、土台と柱を必要以上に強固な金物で補強施工を行う業者がおります。構造体を補強することに問題はありませんが、本件の場合も含め、地盤自体の特性や地層平行度、地耐力などの基本的な地盤調査が不可欠となります。地面表面波探査方式などという、優れた調査方法もありますので、しっかりした、地盤の調査によって対応を行うべきでしょう。
 費用もその仕様や施工方法によっては、10万円程度から数百万円に上る場合もあります。