高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

構造・建材について

断熱性や防音性、構造の強さなど

2012.12.21

基礎部分の多すぎる気泡について

質問者/Tさん(主 婦・38歳・女)

 現在、工務店にて2階建て一戸建てを建築中です。3日ほど前に型枠を外しました。基礎部分に気泡が多かったため工務店に指摘しましたところ、「構造には問題はない。穴はモルタルで埋める」とのことでした。表面的にはキレイになるのでしょうが、強度に問題はないのでしょうか? シロアリの侵入口にならないか?など、不安に感じております。写真を添付いたしました。全面がこのような状態です。ご意見よろしくお願いします。
 コンクリートの強度は、セメントと水の比率で決まるといわれます。コンクリート打設の施工をしやすくするのに、水の量を多くする(シャブコンともいう)とコンクリート強度が低下します。コンクリートは硬めに打設するのがいいのですが、本件のような空洞部が出やすくなります。硬いコンクリートを丁寧につき固めるとか、バイブレーターで振動させるなどすると、このような空洞が少なくなります。本件は少し空洞が多めにあるように感じます。
 現在のコンクリート強度は、1平方センチメートルあたり200kgくらいの圧縮強度を保つよう、生コンをつくるプラントがJIS認定されることになっております。水の混入さえしていなければ、この強度は担保されているはずです。また、本件のように空洞が多いということは水を入れていないとも思えるのです。

 コンクリート強度に問題があり、亀裂が表面から裏側に抜けるような構造クラックになると、当然、シロアリ侵入の恐れが出てくるでしょう。この場合は、瑕疵担保責任という法律で、施工者側が責任を負うよう義務化されております。
 本件のような空洞からシロアリが侵入することはありません。また収縮クラックといって、コンクリートが固まる際に発生するヘアークラックからもシロアリ侵入はありません。シロアリ対処は木材の通気構造や土壌などの防蟻処理などで対応すべきでしょう。

 本件の場合、強度的な問題はないと思いますが、万一の場合を考慮して、この写真を多く撮って保管しておくべきです。万一とは、コンクリート強度が弱くてコンクリートに構造クラックが生じた場合、瑕疵担保責任の対象となり、施工者に責任を負わせるためです。
 しかしながら、あまりにも神経質になり過ぎて、施工者との友好関係を壊さないよう配慮することも必要です。建主さんと施工者とは、末永い友好関係を築いていくことが双方にとって利に叶うと思われます。