高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

構造・建材について

断熱性や防音性、構造の強さなど

2013.01.09

天井断熱対策 夏の暑さに悩んで...

質問者/東京都板橋区・OYさん(会社員・44歳・男)

 築15年鉄骨、3階建、壁面ALC、面積9900mm×9500mmの3階に住んでいます。現在リフォームを検討中です。
 この際、夏の異常な暑さ対策ができないか検討しています。屋根裏をチェックしたところ添付の写真のように断熱がない状態でした。上側も金属に吹きつけはない状態です。
 この写真を見せ2社のリフォーム会社に相談したところ、1社は「1 : 強制換気」、もう1社は「2 : 発泡断熱材」を敷き詰める方法を提案されました。
 疑問点は、
1:のみの方法で暑さは改善されるのでしょうか?
2:のみで改善され結露の発生はないのでしょうか?
 吹きつける方法でなくても効果がありますか。現在は換気口はなく結露の発生もしていません。それぞれの方法を否定されており、どのような方法がベストか迷っています。それとも両方必要でしょうか。
 投稿を読んでも木造の場合が多く、判断に迷います。第三者のご意見をお願いします。

 本件は鉄骨の防露対策として鉄骨部分のみに薄い断熱材を発泡したに過ぎず、家の断熱を目的としておりません。ビル建築の多くはこのうな仕様で施工されています。本件の場合、真夏には屋根材のトタン折板が、太陽熱に熱せれられ100℃にもなります。したがって天井裏の温度は70℃前後まで上昇する場合があります。これが温熱環境に無頓着な日本の住宅の現状といえるでしょう。したがって、質問の換気が良いか、断熱が良いかの問いですが、どちらだけでも効果が上がらず、双方の抱き合わせ施工が必要です。
 先ず、天井の上にグラスウールを300ミリ程度(100ミリ三層)を敷き込み、その上に透湿シート(グラスウール上部の空気の動きを静止させて300ミリ全部の断熱効果を出すため)をのせます。しかし、屋根材が受けた熱が天井裏にこもりますとグラスウールをその熱が貫通しますので、外部に排出する必要があります。そのため必ず天井裏の換気が必要です。吹き付け断熱となると費用もかさみますが、グラスウールを重ねるだけなら費用も安価で済みます。
 30坪未満の面積なので片方に450ミリ角程度のガラリ(吸気口)を取り付け、片方に1000立方メートル/h程度の排気換気扇を対角線上に取り付けます。この程度なら工事費もさほどかかりませんし、この夏のエアコン電気代が大幅に削減できるだけでなく、質の高い冷房空間がつくれます。また結露の心配もまったくする必要がありません。
 早速、暑くならない今のうちに工事を行って、経済的で快適な夏を過ごしてください。