高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

結露と換気の問題

窓の結露や壁のカビ、床下の換気の悪さなど

2021.01.21

小屋裏収納の天井断熱材の施工方法

質問者/神奈川県藤沢市・YYさん(会社員・41歳・男)

 こんにちは。いつも興味深く、参考にさせていただいております。
 現在、2×4で木造2階建て住宅を建築中です。小屋裏収納の天井の断熱材の施工方法について質問させてください。
 わが家では、2階の天井の上に小屋裏収納を設けているのですが、設計当時、小屋裏の換気方法が気になり、小屋裏の天井部分の断熱材および通気方法を図面で描いてもらいました(写真1)。

 当初、断熱材は100mmロックウールとしていましたが、その後、天井のみ100mmのポリスチレンフォームに変更してもらいました。

 ところが、先日、上棟で現場の確認に行くと、実際の施工は違っており、屋根板部分に断熱材のポリスチレンフォームが密着して取り付けられ、その下側に通気層、そして天井(石膏ボード12.5mm)の順に施工することを現場監督が職人に指示したということでした(写真2、3)。
 疑問に思い、現場監督に何度か確認しましたが、断熱材をロックウールからポリスチレンフォームに変えたから、このような施工とし、この会社では、いつもこうしていて、何も問題ないとの説明でした。

 通気層の外側に断熱材があったのでは、室内の断熱効果が無いのではないでしょうか。
また、この場合、冬場には軒天から棟換気に向かう通気経路に冷気が通り、すぐ下に小屋裏収納の天井(石膏ボード)が接しているため、石膏ボードが冷やされ、小屋裏収納の天井に結露が出ないか心配です。特に小屋裏収納には窓が無いためカビも心配です。

 このような施工方法は、この会社の現場監督が言うとおり、一般的なのでしょうか。よろしくご指導お願いします。

 ロックーウール断熱は吹き込み施工なので、屋根の部分の施工が難しかったと思います。 質問者の要請で断熱材を換えたということですが、スチレンフォームでは、仰せのとおり、軒天からの通気が断熱材で止まってしまいます。スチレンフォームの屋根材との密着部分の構造詳細がどのようになっているかわかりませんが、屋根材に断熱材が密着しているとすると芳しいことではありません。
 藤沢市などでは、夏場の屋根材の温度が100度にもなり、そこに断熱材のスチレンフォームが密着していれば、屋根材裏面に温度の逃げ場所が無くなり、断熱材にも、屋根材にも影響を与えます。スチレンフォームはロックウールより断熱性能に優れていますが、高温に弱く、70度以上になりますと熱劣化を起こして断熱性能が低下いたします。
 また屋根材の種類にもよりますが、高温になった屋根材も熱には弱いため、断熱材と屋根材の間に通気層を形成して、屋根材と断熱材の保護できる構造にすべきでしょう。
 添付図面を見ますと、棟換気構造になっておりますが、このままでは全くこの棟換気が活用できません。現在、どこまで工事が進捗しているかはわかりませんが、断熱材を写真に写っている母屋材の中ではなく、その下側へ取り付け、軒天からの空気がその母屋の通気部分を通って棟換気口から排出できるよに改造すべきです。現在の構造のほうが異常であるといえるでしょう。
 このようになった経緯はわかりませんが、スチレンフォームの特性や屋根材の管理などを考慮すれば、工事の変更を求めるべきと思います。