高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

工事ミス・トラブル

床下浸水やアルミサッシの歪みなど

2013.02.27

基礎部分から下の断熱材が露出

質問者/札幌市・OEさん(その他・48歳・女)

 平成9年に大手住宅メーカーで新築しました。5年くらい前からなのですが、車庫の基礎から下の部分で、砂利で隠れていた断熱材のようなものが、長さは1メートル、高さは数センチから13センチも露出しています。新築から5年過ぎたあたりから、目につくようになっていました。
 その箇所は歩道に向かって平らな地面ではなく、歩道に出る手前で下る形になっています(斜45度くらい)。わが家の他の基礎部分は、断熱材は見えないものの、モルタルの最下部のギザギザが見えるようになっています。その程度であれば、砂利を買って埋めれば良いだけなのですが、問題の箇所は斜めになっているので、砂利を積んでも歩道側に流れるばかりです。今まで、砂利を動かしたり取ったりしたことはありません。
 2年前、10年点検の際に「普通に生活していて、こうなるのはおかしい!」と住宅メーカー側に訴えたのですが、「修繕するなら料金がかかります」と言われてしまいました。わが家と同時に建った隣近所数軒は何ともありません。10年点検の表には「基礎まわりの地盤が下がり、モルタル部分が出ている」と書かれただけです。でも、家の地盤沈下ならまだわかりますが、「まわりの地盤沈下」というのも理解できません。また、基礎下の断熱材は、その上から何か吹き付けたり当てたりしないものなのですか? 地盤沈下となった場合でも見えていて当たり前なのでしょうか?
 昔の書類を見たら地盤調査費も払っているのですが、このまま我慢するしかないのでしょうか? 年月が経ってしまいましたが、たまたまこのHPを見つけプロの方のご意見を聞きたくなりました。よろしくお願いいたします。

 写真を見ての判断となりますが、地盤軟弱による不同沈下ではないと思われます。少なからず設計あるいは施工に不適切な要素がうかがえます。
 写真で見ますと露出してきた断熱材は、スチレンフォームという断熱材です。この断熱材は、主に寒冷地の車庫などの土間コンクリートの下に敷き込まれます。これは、土間コンクリートの下部の土が凍って膨張し、持ち上がってコンクリートに亀裂を起こすことを防止するのが目的です。
 本件の写真を見ますと、手前の道路側に勾配がついているようです。基礎の向こう側には、基礎コンクリートが見え、勾配で低くなっている部分だけに断熱材が露出しています。誠実な施工を行えば、断熱材を立ち上がり基礎内側と、土間の下に連続して敷設させるべきものです。本件の場合も、勾配部分の土間コンクリート下に敷き込んだ断熱材の側面の端部処理にミスがあったように思われます。本来なら、このスチレンフォームは奥の方の基礎コンクリートと同じように、外部に露出してはいけないものです。露出したままにしておくと、紫外線劣化でボロボロの状態になってしまいます。このスチレンフォームは土間コンクリートの勾配部分の凍結防止を目的に敷き込んだのでしょう。何らかのミスが生じて端部が露出したものと思われます。
 手前の勾配部分は、人の出入りなど、何らかの作用で砂利が手前にこぼれ落ちて、断熱材が露出したものとも解釈できそうです。いずれにしても、施工者の対応が充分だったとはいえません。少なくとも、砂利がこぼれ落ちない対策と、断熱材が露出しない端部処理を行うよう要請すべきです。費用がかかるとしたら10年以上の経過を考慮しますと、こぼれ落ちた砂利納入の材料費、納入施工費は、建主さんが支払うべきものと思われます。