高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

工事ミス・トラブル

床下浸水やアルミサッシの歪みなど

2013.09.19

新築直後は寒い?いつかは暖かくなる?

質問者/札幌市北区・S.Aさん(会社員・28歳・男)

 6月に新居が完成しました。一戸建てで高気密(0.6cm2/m2)高断熱(発泡ウレタン)で第3種24時間換気システムを採用しています。床面積30m2、2階建て吹き抜け有り4LDKです。
 今年の札幌の初夏~夏は、結構、涼しい日もあり、夜・朝方は春先や秋を感じさせるほどの低い気温の日もありました。そんな涼しい日は、家の中は自然吸気口から入ってくる外気(10数℃)によって、外と同じくらいの室温になります。
 春先でも冬でもないので、暖房(パネルヒーター)などの使用はもちろん頭にはありません。理屈では、当たり前ですよね。室内では、温度を上げずに、外気をそのまま取り入れているのですから。室内での熱の発生量より、外気の取り入れの方がスムーズに行われているのですよね。
 しかし、わかってはいても、涼しすぎる、いや、寒く感じることについて、何ともふに落ちない感じがしています。この中間期、暖房を使用しない時期について、このように感じるのは、当たり前なのでしょうか? 換気システムは、「弱・中・強」の3段階で、寒い日は「弱」にはします。どのように考えると良いでしょう?

 気密性能が0.6は最高レベルの性能です。Q値(熱損失係数)が明示されておりませんが、夏場においては気密性能のほうが、温熱環境に大きくか変わってきます。本件の事象は、通常では考えられない案件です。高気密住宅の場合、外気温が15度の場合、自然発生熱や内部取得熱(窓からの日射熱や電灯や電化製品、人体発生熱など)で、室内は20度以上になるのが普通です。温熱環境は、間取りや家の向きにも大きくかかわってきますが、構造体(木材や建材など)の温度を1度上げるには、気温(空気)の900倍もの熱量を必要とします。これを、換気の熱だけで、温度を上昇や低下を行える量には及びません。
 本件が、高気密・高断熱の性能が十分に得られていることを前提として考えられることは、寒い時期に建て込んだ木材や建材などが、低い温度を保有したまま完工した場合があります。この場合、暖房によって構造体が温まってきますと、快適な空間が得られると思います。
 冬場の暖房熱量は、外気温と室内温度、それにQ値(熱損失係数)で決まります。十分な暖かさが得られない場合のほとんどが、Q値が実際と異なっていると言い切ってよいと思います。