高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

工事ミス・トラブル

床下浸水やアルミサッシの歪みなど

2013.10.18

水漏れ悩みの家で白蟻発生

質問者/匿名希望さん(会社員・女)

 築4年半の建て売り住宅に住んでいます。今日、リビングの部屋の角で、白蟻がいる、土をもったような固まりを見つけました。水もれに悩んでばかりの家なので、電話で連絡をして明日来てもらう白蟻駆除業者の人も、白蟻が発生する原因が水もれであることが多い、と言っていたことが大変気になります。
 今までの水関係の被害というのは、それはひどいものでした。まず、家を買い、入居した翌日に2階のトイレの配管から水がもれました。原因は、配管に間違って打たれた釘のせいでした。建築業者を呼んで、補修してもらいました。次は、半地下の壁に黒いカビが生えてきて、確認したら、窓際の防水処理がしっかりしていなかったとのこと。これも、建築業者が補修してくれました。そして次は、1階にある浴室の防水処理がしっかりしていなかったために、水もれを起こし、半地下の天井がびしょびしょに濡れ、水が連続して流れ落ち、天井が落ちてきました。これも、建築業者が補修してくれましたが、カビがとてもひどく、そのときから子どもが喘息になりました。床暖房のパネルに釘が間違って打たれていたことで、床暖房の水が溢れてきたこともあります。4年間で、水の被害がない年はありませんでした。そして、今度は白蟻です。
 明日は、白蟻駆除会社の人と、建築業者に来てもらうことになっています。建築業者も今までは、良心的な対応をしてきてくれたとは思います。しかし、家で起こっている、これら総てのことが、私達の健康にかかわる、とても重要な「業者によるミスによって発生した事実」であると考えています。
 そこで、ご相談したいのは、

白蟻駆除をするときの薬品が与える人への影響について、教えてほしい。

カビが広範囲に渡って発生している場合の、対処法を知りたい。

まだ築4年の物件で、白蟻が発生することは、ほかにもあるケースなのか教えてほしい。

健康を最優先したいと考えているので、白蟻駆除、カビ対策をしても、健康への不安が拭いきれないときは、建て替えをすることも考えているが、意見をいただきたい。

最悪の場合は、建て売り業者に対して法的に訴えることも考えているが、意見をいただきたい。

 以上です。子どものアトピー性皮膚炎も悪化しており、大変悩んでいます。どうぞ、皆様の、ご経験に基づくアドバイスをいただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。
 漏水トラブルが毎年のように発生し、その原因が夫それぞれ異なっているようです。これは、大変お気の毒なことですが、運が悪かったような気がします。私達、施工者の立場においては、最初からトラブルを想定しているわけでもありません。当然、全く事故もなく経過する物件のほうが圧倒的に多いのですが、本件のような事故が集中して発生することも稀にあります。


白蟻処理薬剤による人体影響ですが、現在、住まいしているその住宅も薬剤処理を施していると思われます。建売は価格の安い薬剤処理(高価格になりますと檜やヒバなどで薬剤を省略できる)で行うからです。また、建築されるほとんどの住宅はこの薬剤による処理が施されています。今まで影響がなければ、薬剤そのものによる影響はその後も大丈夫と思われます。


漏水箇所の徹底補修と換気などの風通しの促進です。特に床下の換気を完全にしなければなりません。


床下に土が盛り上がっているようになっていると言いますが、必ずしも漏水が原因と特定できません。白蟻は土壌処理が十分でないときなど、基礎の下や亀裂部分から侵入して巣営する場合もあります。木材の薬剤処理が十分でも土壌処理が十分かどうか検査のしようがありません。不十分の場合、年数に関係なく被害に遭う場合もあります。


床下の処理においては、現在の床下部分に乾燥した砂を外の地盤面より高くなるところまで敷設します。その上にポリフィルムを敷いて、シリカゲルを敷きます。富士シリシア化学が発売しています。シリカゲルは薬剤ではありませんが、蟻が触れれば湿気を抜かれて死滅します。また周辺の湿気の増加を抑制する効果があります。床下換気が完璧であることが前提です。建て替えを考えるにあたり、この効果を確認してからでも遅くないと思います。


本件を法的な処置を進める状況にないと思います。様々、トラブルに遭遇して怒り咽頭の心情はよく理解できます。しかし、業者がメンテナンス放棄をしたわけではなく、文面から判断して、誠実な業者のように思われます。それよりは、業者に実態をよく理解していただき、環境改善に努力していただいたほうが、質問者の利にかなうと思います。


 子どものアトピー性皮膚炎は、カビによる胞子がハウスダストとなり、体内に吸収されて引き起こす確率が高いと言われます。床下の完全復旧を完璧して、また部屋ごとの温度差を少なくする工夫も必要です。