高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

設備や内装一般

暖房や電気湯水器、トイレの配管など

2013.12.11

木質系屋内建具の反りに悩んでいます

質問者/滋賀県高島市・TMさん(73歳・男)

新築した注文住宅で、暖房室と非暖房との仕切り木質系屋内建具が、特に片引き戸で壁に擦って開閉が困難になると同時に、閉めたときキャッチ金物が上手く機能しなくなりました。建築会社を通じ建具販売店ルートで対応していただきましたが、根本的な解決には至りません。
 そこで建具メーカーに申し入れたところ、次のような返答がありました。

 「当該製品」に関しましては、木質製品のため、室内外の温度差・湿度差が著しいと云う厳しい使用環境下では、扉の耐反り能力を超えてしまいますので、製品だけで反りを解決することには無理があるケースがあることをご理解下さい。引戸やドアなどによって仕切られた2つの空間に極端な温度差や湿度差があり、反りが発生した場合は、お部屋の換気や空調などを合わせて対処していただく事が非常に有効です。

 小生といたしましては、反りは製品の不具合から生じているものと考えていて、反らない製品の要求をお願いしていますが、一向に対応してくれそうにもありません 。小生宅の使用環境は、極端なものではなく通常の日本における平均的な環境と自認しています。メーカーの言い分は「木質系室内建具とは、反りが出てあたりまえ、反りが出ないように対応して使いなさい」と言っているように聞こえます。

建具に限らず、家は竣工してから1~2年間にわたり、構造体、仕上げ材、建具なども含めて性能定着する期間です。木製建具も家の構造体が落ち着くまで、本件のような不具合を生じさせることは珍しいことではありません。
 確かに建具は、温度と湿度の変化で反りが生じたりの現象が起きます。しかし、本件においては、開閉が困難になるなどと容認の範囲を超えていると思われます。まして、製品の不具合を居住環境のせいにするなどもってのほかです。しかし、大企業の建具メーカーはサラリーマン集団ですので、回答された見解は想定の範囲といえるでしょう。
 いずれ、構造体と仕上げ材の収縮が定着してまいりますと、建具の反りも馴染んでくるものです。その間において、建具メーカーより建築した施工者は居住人の不便を最小限に抑えるような対応を行うべきでしょう。質問者も施工者と上手に対応して建具も含め、メンテナンスを気持ちよくさせるような環境を維持しておくのが賢明です。