高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

設備や内装一般

暖房や電気湯水器、トイレの配管など

2017.10.23

床鳴りと段差(不陸)について

質問者/youjin

新築注文住宅を工務店で建てました。引き渡し前なのですが、二階の床の一部に段差と床鳴りがあります。

そこまで大きな段差ではないのですが、歩いて気づきました。
段差はフローリングが山なりに一部盛り上がる様に張られ、断面で言いますと緩やかなs字を描いています。水平器を置くと、フローリング2枚程、勾配がついており、物を置くとガタつきがあります。

工務店に修理を依頼しましたが、「レベルを出すと、一枚一枚のフローリングの段差は1ミリから2ミリ程度で、山なりになっているから一番高い所からだとガタつきがあるだけで、許容範囲なので、直しません。床鳴りは上から釘を打ってダメなら、このままになります。」

素人が歩いて気づく段差があっても許容範囲って…
現場監督も床の施工中は不在らしく、大工任せで、原因も全く分からず説明に納得いかないので、直して欲しいというと、

会社の社長自ら、私たちは会社として直す必要のある物は直してきたので、重箱の隅をつつく様な事を言われても困る。物を置く時は下に滑り止めのゴムを引けば問題ないし、生活に支障はありません。
許容範囲に関して見解の違いなので、こちらは弁護士を通して調停を申し込みます。そこで言いたいこと言って下さい。との事でした。


新築で引き渡し前から床鳴り、程度があるにせよ段差があるって、普通の事ですか?

引き渡し前に施主からの指摘があれば、直してから渡すのが建築会社の責任というか普通のことだと思いますが、工務店は自分達は至って普通であり、むしろ私がおかしいと言いたげな雰囲気ですが、クレーマーな要求でしょうか?

床鳴りも原因がはっきり分からないのに、釘を打ってダメなら終わりって…その場しのぎ感が出過ぎて疑問を感じます。

周りの人は新築で床鳴り、段差とかはないと言っており、あった人は全面張替えで対応してもらったといっております。

ちなみに大工さんに音を聞いてもらうと、下地(断熱の熱橋対策として一部スタイロフォームが敷いてあり、それが音を出してるのでは)が原因と思われ、床をはがさないとハッキリとした原因がわからないとのことでしたが、はがすのも床暖房が近くにいる為、できないとのことです。

工務店はそこまでする必要があるのか?ということもあわせて調停ではっきり第三者の意見も聞きたいとのことでしたが、調停で争って勝てるものなのでしょうか?

直してくれれば文句は言わないのに、調停して引渡しもいつになるかわからない常態になるのに調停するとは、工務店の対応が悪すぎるように思うのですが、工務店では床の張替えまでしないのは普通のことでしょうか?

床暖房があり、全面張替えは金額的に厳しいとは思いますが、どうでしょう?


ちなみに、重量鉄骨の家で2階の構造は
床暖房部分は、デッキコンクリート、セルフレベリングモルタル、制振ゴム、合板、床暖房、フローリング。

部屋の周囲は断熱熱橋を見てスタイロフォームが敷かれておりそこに床鳴り、段差があります。
そこは床暖房がありません。
デッキコンクリート、断熱材スタイロフォーム、合板2枚、フローリング
先ずは弁護士を入れて調停とか訴訟に発展する案件には、回答者のみなさん、その回答を躊躇してしまいます。ネット情報だけでは、調停進行や訴訟に及ぶような核心に迫る詳細回答することが難しいからです。

本件は、鉄骨造りで床に床暖房、それにスチレン樹脂の床断熱を施しているようです。
鉄骨躯体に床材をどのように固定化させ、床暖房の下部に熱の逃げない対応策、それに床暖房との結合部の手法などが明記されておりません。
いずれにしても、この床材と床暖房、床断熱の納まりは、床の波打ち現象の要因だと思われます。

床鳴りを床の上からビスやクギで直接固定する方法を「脳天打ち」などとも云いますが、そのビスが効く下地が確実に存在しなければなりません。
その下地が鉄骨なのか木下地が入っているのかによっても対応は異なります。

この引渡前の段階でなぜ、弁護士と相談して調停申込みに及ぶのかは、文面だけで理解出来ません。業者が主張する許容範囲なるものも何を根拠にしているのかも理解できません。
色々な経緯があってここに至っているのであろうと思われます。
技術的には解決方法は存在しますが、その費用分担が争点になりそうです。

裁判所への調停申込みに弁護士を頼む必要はありません。
最寄りの裁判所に調停受付窓口で申し込みを致します。素人でも申し込みは出来ます。
調停は調停委員の先生が双方の主張を交互に聴いて、双方合意させる調停を行います。
この調停室では自分の言い分を主張することが出来ます。

調停での合意が出来なかった場合には、弁護士さんに相談して訴訟と云う段取りになります。調停は調停室から外部に情報が漏れることはありませんが、訴訟になると情報公開が原則となります。

家づくりは、一生涯にわたり身を委ねることになります。
建主さん、つまり質問者と施工業者側とは、お互いに言い分を分かち合いながら穏やかな方法で課題を乗り切って戴きたいものです。